ここでは、2択連鎖以外の連鎖系ロジックを説明します。
解法の説明はしていますが、ここに掲載の連鎖系ロジックは、当サイトの問題では使用しません。
塗り分け連鎖、Simple Coloringとも呼ばれています。
重複回避系のロジックでは「起点」と「終点」は同一ライン上にありました。これに対し、「連鎖による重複回避」では、連鎖によって「起点」と「終点」を生じさせます。すなわち、重複回避を構成する2つのラインの「起点」同士は、相互に「起点」と「終点」の関係になるので、これを利用します。
言いかえれば、重複を生じるラインやブロックを介して「起点」「終点」関係が拡張され、その拡張された「起点」「終点」関係をラインの代わりに使うのが「連鎖による重複回避」です。
ここでは、「起点」「終点」関係のことを「択一関係」と呼び、重複を生じるラインやブロックを介して拡張された場合を「拡張された択一関係」と呼ぶことにします。
左の図を見てください。択一関係のセルを持つ2つのライン(水色)が、重複の生じるライン(黄色)を介して結合しています。
|
重複回避で使ったロジックは、ライン上での択一関係でなくても、拡張された択一関係でも成立します。これには、以下の2つのタイプがあります。
ⅰ.拡張された択一関係がループを構成する場合(D2-12)
これの最も単純な例が、「重複回避(ライン)の基本形:四角の対角線、X-Wing」です。
ⅱ.拡張された択一関係がループを構成しない場合(D2-13)
これの最も単純な例が、「重複回避(ブロック)の基本形」です。
D2-12. 連鎖による重複回避 ループ数字2に着目したとき、水色は、択一関係のセルを持つラインまたはブロック、黄色は重複が生じえるラインまたはブロックです。
|
D2-13. 連鎖による重複回避 非ループ左の図では「拡張された択一関係」がループを作っていません。 |
空白回避は、あるセル(星)に影響を与える複数のセル(衛星)から共通の数字を削除すると、衛星に残った数字によって星に入る数字がすべて削除され、空白セルになってしまうことを避けるロジックでした。すなわち、キーとなる複数のセル(星)は共通の候補数字を持っていました。
これに対し、連鎖による空白回避は、他方の数字が共通でない(ものを含む)場合に、2択のセルを仲介にして、前記の空白回避と同様の状況(いずれかの2択セルに入る数字がなくなる)が生じるのを回避するものです。これによって、削除できない複数のセルに共通の候補数字を導き出します。これには、以下の2つのタイプがあります。
ⅰ.ループを構成する場合(D2-21) Forcing Loop、XY-Loopとも呼ばれています。
ⅱ.ループを構成しない場合(D2-22) Forcing Chain、XY-Chainとも呼ばれています。