ナンプレの解き方

D2. 連鎖系ロジック(その2)

ここでは、2択連鎖以外の連鎖系ロジックを説明します。
解法の説明はしていますが、ここに掲載の連鎖系ロジックは、当サイトの問題では使用しません。


D2-1. 連鎖による重複回避 (Simple Coloring)

塗り分け連鎖、Simple Coloringとも呼ばれています。

重複回避系のロジックでは「起点」と「終点」は同一ライン上にありました。これに対し、「連鎖による重複回避」では、連鎖によって「起点」と「終点」を生じさせます。すなわち、重複回避を構成する2つのラインの「起点」同士は、相互に「起点」と「終点」の関係になるので、これを利用します。

言いかえれば、重複を生じるラインやブロックを介して「起点」「終点」関係が拡張され、その拡張された「起点」「終点」関係をラインの代わりに使うのが「連鎖による重複回避」です。

ここでは、「起点」「終点」関係のことを「択一関係」と呼び、重複を生じるラインやブロックを介して拡張された場合を「拡張された択一関係」と呼ぶことにします。

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左の図を見てください。択一関係のセルを持つ2つのライン(水色)が、重複の生じるライン(黄色)を介して結合しています。
この結果、AのDのセルが択一関係になります。

∵ Aに5が入らない→Bに5が入る→Cに5が入らない→Dに5が入る(逆も成立する)



重複回避で使ったロジックは、ライン上での択一関係でなくても、拡張された択一関係でも成立します。これには、以下の2つのタイプがあります。

ⅰ.拡張された択一関係がループを構成する場合(D2-12
  これの最も単純な例が、「重複回避(ライン)の基本形:四角の対角線、X-Wing」です。

ⅱ.拡張された択一関係がループを構成しない場合(D2-13
  これの最も単純な例が、「重複回避(ブロック)の基本形」です。


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D2-12. 連鎖による重複回避 ループ

数字2に着目したとき、水色は、択一関係のセルを持つラインまたはブロック、黄色は重複が生じえるラインまたはブロックです。

この図のように「拡張された択一関係」がループを作るとき、黄色のラインやブロックは互いに重複を生じさせる交点になります。したがって、黄色のセルには2を入れることができません。

 

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D2-13. 連鎖による重複回避 非ループ

左の図では「拡張された択一関係」がループを作っていません。
このとき、黄色部分は重複の生じえるラインまたはブロックですが、重複を生じさせる交点ではありません。

この場合、交点になり得るのは「拡張された択一関係」の端点同士の交点である赤いセルです。このセルに2を入れると黄色のラインまたはブロック上で2が重複するため、2を入れることができません。

D2-2.2択セルの連鎖による空白回避 (Forcing Loop/Chain)

空白回避は、あるセル(星)に影響を与える複数のセル(衛星)から共通の数字を削除すると、衛星に残った数字によって星に入る数字がすべて削除され、空白セルになってしまうことを避けるロジックでした。すなわち、キーとなる複数のセル(星)は共通の候補数字を持っていました。

これに対し、連鎖による空白回避は、他方の数字が共通でない(ものを含む)場合に、2択のセルを仲介にして、前記の空白回避と同様の状況(いずれかの2択セルに入る数字がなくなる)が生じるのを回避するものです。これによって、削除できない複数のセルに共通の候補数字を導き出します。これには、以下の2つのタイプがあります。

ⅰ.ループを構成する場合(D2-21)  Forcing Loop、XY-Loopとも呼ばれています。
ⅱ.ループを構成しない場合(D2-22)  Forcing Chain、XY-Chainとも呼ばれています。

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D2-21. 2択セルの連鎖による空白回避 ループ

左の図の赤い線は、4→8→9→2→(4)のループを示しています。
このような場合、逆方向にも2→9→8→4→(2)のループができます。

その結果、ループを構成する共通の候補数字を持つセル同士は、当該候補数字について、一方に入らなければ他方に入るという関係が成立し、両方のセルからこの候補数字を削除することはできません。

したがって、ループを構成する共通の候補数字を持つセル同士の交点には、当該候補数字が入りません。
例えば、2行目の灰色のセルには4がはいりませんし、3列目の灰色のセルには2がはいりません。

 

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D2-22. 2択セルの連鎖による空白回避 非ループ

左の図の赤い線は、4→8→9→2の連鎖ですが、ループはしていません。
しかし、端点の 24 と 29 は2を共通の候補数字に持っています(間接的にループしています:破線矢印)。

このような場合、端点のセル同士では、この共通の当該候補数字について、一方に入らなければ他方に入るという関係が成立し、両方のセルからこの候補数字を削除することはできません。

したがって、端点同士の交点(灰色のセル)には、2が入りません。